秋の健康診断キャンペーン

今年も秋の健康診断血液検査キャンペーンのご案内です。通常なら10000円前後の検査なのでこの期間はかなりお安くなっていると思います。

検査でわかる主な病気

甲状腺機能低下症 5500円

 歳をとったワンちゃんに多い病気です。症状は、「痩せてきた」、「元気がない」、「お腹を壊しやすい」、「皮膚病や脱毛」などです。一見すると典型的な症状がないところが困ったところで発見を遅らせてしまう原因でもあります。

甲状腺機能亢進症 4500円

 歳をとったネコちゃんに多い病気です。症状は、「食べても食べても痩せていく」、「うちの子は年をとっているのにとても元気なの」、「夜に変な声で鳴く」などです。また同時に慢性腎臓病も発症していることもあるので注意です。今回の血液検査で両方の病気をチェックできてしまいます。

副腎皮質機能亢進症 5500円

 ワンちゃんに見られる病気です。症状は、「水を大量に飲む」、「毛が抜けてきた」、「お腹が出てきた」、「痩せられない」などです。比較的典型的な症状が出てくることが多いですが、わかりにくいことも多い病気です。

肝機能検査 3500円

 この検査は、これまでに「肝臓が悪いですね」と言われたことがあるワンちゃん・ネコちゃんに有効になるかと思います。通常の検査(ALT、ASTなど)のみでは評価できない部分も確認できるのが良いところです。今までに肝臓が悪いと言われたことがある子はご相談していただければと思います。

 健康診断をして「健康ですよ。よかったですね。」と言ってあげられるのが一番なのですが、悪いところが見つかってしまう場合もあります。しかし、早期に発見できれば病気も悪くなる前に治すこともできる可能性が高くなります。なので、「うちの子も歳をとってきたから・・・」、「気になる症状があるなぁ」と思ったら、今回の健康診断キャンペーンを利用していただくのも良いかもしれません。

 

歯周病から心臓病?

 9月に入っても暑さは続きますが、空気が秋へ近づいているのを感じられますね。今回は歯周病のお話です。

歯周病って?

 おそらく、ある程度の年齢のワンちゃん・ネコちゃんを飼われている方であれば「口が臭いよ」、「歯茎が赤い」、「歯が汚い」ということを一度は思ったことがあるのではないかと思います。「うちの子は平気そう」と思われても唇をめくって見てみると、ほとんどの子で何らかの異常が見られると思います。「歯周病を持っているワンちゃんは全体の80%!!」というデータもあるそうです。

 歯周病は細菌感染によって起こる病気です。歯肉のみではなく、歯自体、歯の根っこ(靭帯)、歯槽骨(歯の埋まっている骨)にまで病気が進行することがあります。

 大型犬ほど歯周病になりにくく、小型犬の方がずっと多いです。日本は小型犬がとても多いのでさらに良く出会う病気なのでしょうね。

 

どうやって他の臓器に病気を起こすの?

 ご飯を食べたり歯磨きをすると細菌が血管の中へ入ってしまうことがわかっています。通常はこれによって問題はおこらないのですが、何らかの理由で影響を受けてしまうことがあるそうです。また、細菌が入ることで全身へ炎症性物質が放出され心臓や血管にダメージを与えてしまうこともあるそうです。さらに細菌を倒そうとしていると、誤って自分の臓器を壊していくこともあるそうです。

 しかし、 実はどのように他の臓器疾患に関わるのかは、科学的な証拠が見つかっていないのが現状です。

歯周病と関係がある疾患

 ・心臓・血管の疾患・・・心臓の組織が壊れたり、動脈硬化の原因になると言われています。

 ・生殖器の疾患・・・早産が増えたりすると言われています。

 ・糖尿病

 ・肝臓の病気・・・脂肪肝になったり、肝臓へ膿がたまってしまうことがあると言われています。

 ・呼吸器の疾患・・・気管炎や気管支炎を起こすことがあると言われています。

予防は?

 歯ブラシを使って歯みがきをすることが最も効果的です。「歯と歯肉の隙間」をきれいにしなくてはならないので、指サック型のものや歯みがきシートはやはり歯ブラシには効果は劣ってしまいます。

 フードも種類によっては①フードの形が歯をきれいにしやすいように工夫されているものや②ポリリン酸ナトリウムが含まれていて歯石が作られることを予防することができるものもあります。

 お口の薬もあります。細菌の増殖を抑えたり、歯垢(歯石のもとになる)の付着を予防することができます。

 歯みがきは慣れていない子にとってはとても難しいことではありますが、チャレンジしてみてほしいです。おいしい味になっている歯磨き粉を合わせたりするとやりやすくなることが多いです。歯ブラシや歯磨き粉は病院にも用意してあります。

 しかし、すでに歯周病がひどくなってしまっている場合は病院で治療が必要になりますので、予防も含め心配な場合はご相談していただければと思います。

 

☆スタッフ募集☆

 引き続きスタッフさんを募集しております。現在2名の方にお願いしておりますが、まだ若干名を募集しております。

正社員の方

・動物病院で過去に勤務したことがある方。

・専門学校の新卒の方。

パートで働ける方

・労働時間 午前9:00~12:00    午後16:00~19:00

動物病院で過去に勤務したことがある方

・週1日から。土曜日もしくは日曜日のどちらか出勤できる方。午前だけ・午後だけという場合も相談してください。

もしご興味がある方がいらっしゃいましたら、048-242-5805までご連絡ください。

せき・くしゃみが出る

 今年も暑い夏ですね。ワンちゃん、ネコちゃんの皮膚疾患(アレルギー性皮膚炎も含み)、外耳炎で来院される件数が格段に増える季節です。しかし、今回はアレルギーが原因のせき・くしゃみのお話です。

はじめに

 ワンちゃん、ネコちゃんではアレルギー性呼吸器疾患は少ないようです。診断が確定しづらいこともその要因の一つかもしれません。アレルギーが原因になる呼吸器疾患は、アレルギー性鼻炎やアレルギー性気管支炎・アレルギー性肺炎(ネコちゃんなら「猫喘息」と呼ばれたりします)があります。

症状

くしゃみ・鼻水

 花粉やダニにアレルギーを持っている場合に、アレルギーの元が鼻に入るとくしゃみを連発することが多いようです。鼻水が出ることがあります。繰り返すうちに重症化していき、そこに細菌感染が起こったりすると膿の鼻水を出すようになったります。

 特に鼻の長い犬種(ダックスフンドやウェルシュ・コーギーなど)は慢性化しやすく重症化しやすいので注意が必要です。

逆くしゃみ

 アレルギー性鼻炎のワンちゃんに見られます。ワンちゃんに特有の症状です。「首を伸ばして大きな鼻の音を出しながら」息を吸ったり吐いたりする行動です。この行動も重症化すると疲れ果てるほど長く続くこともあるそうです。

 初期は乾いた咳をします。明け方や夕方などの少し冷えたりした時に出やすいようです。元気も食欲もあって「ちょっと咳がでるかな?」といった感じです。また、高齢の子になると心臓疾患による咳のこともあるので、注意が必要です。

 ネコちゃんが咳をする場合はワンちゃんに比べて、「すでに呼吸の状態はかなり悪化している」可能性があります。咳を始める以前に呼吸回数が多くなるといった症状がでることが多いです。それに伴って食欲が低下することもあります。

 アレルギー性の呼吸器疾患は、その他に多くある呼吸器疾患の中でも「まれ」な部類に入ると思います。また、確定診断をすることが難しいために発見しづらいという部分もあります。「その他の呼吸器疾患への治療が効かない!」→「アレルギー性呼吸器疾患かも?」という順番に診断していくこともあるため治療も遅れがちになってしまうこともあります。

 呼吸器の問題は命に直結しています。オーナー様が日ごろよく見ていただいて、「おかしいな」と思ったら早めに受診していただくということがとても大切ではないかと思います。

トキソプラズマとは2

 今回はトキソプラズマがヒトに感染すると起こる症状と、予防方法についてです。

ヒトが感染すると?

 良く知られているのは、妊娠時にトキソプラズマに初感染すると起こる胎児への影響かと思います。早産、死産、新生児の先天性異常がそれになります。妊娠以前からトキソプラズマへの抵抗性があれば問題ないのですが、90%以上の方が抵抗性を持っていないので注意が必要です。年間にトキソプラズマが原因で起こる死産は十数件もあるそうです。

 また、妊娠に関わらず感染が起こることも当然あります。この場合、命に関わることはありませんが、トキソプラズマは脳に入り込み休眠状態になります。その結果、ヒトの性格へ影響したり、統合失調症やうつ病の危険因子になるとも言われたりしています。

 

ネコちゃんやヒトへの感染を予防するためには?

 まずネコちゃんへの感染の予防は単純です。「室内飼育する・生肉を与えない」だけです。逆を言えばこれしか方法がないということです。トキソプラズマには特効薬はありませんので感染をさせないという方法がベストです。

 ヒトは、「土・砂への接触を避ける・野菜などは良く洗って食べる・生水は飲まない」ように心掛ける必要があります。残念ながら外で生活するネコちゃんの行動を制限することはできないからです。どこにでもオーシスト(簡単に言うとトキソプラズマの卵)が落ちているものとして対応が必要です。

 それから、生肉(獣肉の刺身、生ハム、サラミ、レアステーキ、)を食べなことです。しっかりした冷凍処理や、加熱処理されているものを食べることを心がける必要があります。

 海外旅行でトキソプラズマの多い国へ行ったときは特に注意が必要です。

 こうすることでヒトにも感染する確率がゼロの近くなっていきます。

 

8月の診察案内

 8月の診察案内です。

 お盆中も平常通り診察を行っております。

 (平常通りなので、火曜日は休診日、金曜日の午後も一般の診察はおこなっておりません。)

 引き続きパートさん・アルバイトさんを若干名募集しております。過去に動物病院勤務の経験がある方での募集になりますが、興味のある方は当院までご連絡ください。

トキソプラズマとは1

 トキソプラズマは、過去にかなり騒がれた寄生虫です。ネコちゃんが持っていて、ヒトにも感染することがある寄生虫ですが、最近はあまり聞かなくなりましたね。

トキソプラズマとは

 原虫と呼ばれる寄生虫の一種です。

 まず、ネズミなど多くの動物の体に一度入り発育します。最終的にはネコ科の動物に取り込まれて最後の成長を遂げ、再びネコ科の動物の便に排出されるというサイクルを回っています。

 日本国内では、簡単に言えば、ネコちゃんがネズミを食べることや、地面に落ちているオーシスト(とても簡単に言うとトキソプラズマの卵)を口に入れてしまうことで、トキソプラズマの生活サイクルが回っているということになります。

 ヒトに感染が起こるのは、ネコちゃんから直接取り込む、地面に落ちているオーシストを何らかの理由によって口に入れてしまう、ブタやウシなどに感染し、その生肉を食べてしまったときです。

ネコちゃんはどのくらい感染しているの?

 近年ではヒトからの関心が薄くなってきたことで調査が減少しているとのことです。ある程度減少してそこからは10%前後の感染率(過去に感染したことがあるネコちゃんも含む)で安定しているようです。いまだに身近な環境に潜んでいるということになります。

 また、室内のネコちゃんと地域ネコちゃんとで、感染率に大きな差がないことが注意するところかもしれません。つまり、「家の中で飼育しているから大丈夫!」ではないということです。

ヒトはどのくらい感染しているの?

 ヒトでの感染も減少傾向にあります。高齢なヒトほど感染率(過去に感染したことがあるヒトも含む)は高く、若いヒトほど低いという、年齢差があるようです。

 しかし問題は、過去に感染したことが減っているために、今後初めて感染するヒトが増えるかもしれないということです。女性が妊娠中に初めて感染するということが大きな問題につながるのです。

 次回はヒトではどのような症状がでてしまうのか、どうやって予防するのかについて触れたいと思います。

 

マダニの多い季節です

蒸し暑い日が続くようになってきました。気温・湿度の上昇とともに、マダニも活発に活動してきています。

マダニとは

 マダニとは成長段階によって大きさが違いますが、1-10mmの大きさです。基本的には野外に生息しています。吸血と脱皮をすることで幼ダニ→若ダニ→成ダニと成長します。

 室内のじゅうたんや畳などに必ずいるダニ(チリダニなど)とは種類が違います。マダニは吸血を行ないますが、室内のチリダニなどは吸血を行いません。しかし、チリダニなどはヒトやペットへのアレルギーに大きく関与している場合があります。

 他にも、ペットで問題になることがあるダニとして、ニキビダニ、ヒゼンダニなどがいます。

ワンちゃんに寄生するマダニの種類は?

 マダニは日本全国に40種類以上が生息しています。その中でワンちゃんに寄生するのは主に、フタトゲチマダニ、キチマダニ、クリイロコイタマダニ、ヤマトマダニです。

 地域によって寄生するマダニの種類に違いがあったります。

マダニの多い季節は?

 主に春から秋に活動しています。

 しかし、真冬でも寄生が確認される種類もいますし、越冬する種類もいるそうです。

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)ウイルスの感染について

 少し前までニュースにもよくなっていた病気です。ヒトがマダニに吸血されることで感染し、発熱・血小板減少・消化器症状・白血球減少が主な症状です。重症化すれば10数%で死亡することもあります。

 ワンちゃんがマダニの感染を予防することは、ヒトの住む環境へマダニが侵入する機会を減らすことに繋がるため重要なことだと思います。

 「いつからいつまで予防したらよいか?」ということが1つの問題となりますが、一般的にはマダニの活動が活発な季節、つまり春から秋にかけてということになります。しかし、地域やワンちゃんの行動範囲によっても差がありますので、心配な場合にはご相談いただければと思います。

 

フィラリア症の予防はお済ですか?

5月に入りました。さらに暖かくなり、ヒトも蚊にも刺されるようになってきたのではないかと思います。

 フィラリア症は、蚊に吸血されることで感染する寄生虫の病気です。フィラリアの感染によって心臓・肺に問題が起こることでワンちゃん(ネコちゃんも)が亡くなってしまう恐ろしい病気です。

 当院では5月初めから12月初めまでの8ヵ月間の予防をお勧めしております。ご家族であるワンちゃんの健康を守るため、まだお済でない場合はお早めに来院してください。

 また、今年は特に、マダニの予防も強くお勧めしております。ヒトがマダニに刺されることで発症する「重症出血性血小板減少症候群」というウイルス性の病気が発生しているためです。「ワンちゃんがマダニを連れてくる→ヒトがそれに刺されてしまう」ことがないように、ワンちゃんでの予防は効果的だと思われます。

 ご不明な点があればお気軽に相談していただければと思います。

ゴールデンウィークも通常診察です

 フィラリア予防のシーズンまっただ中です。

 フィラリア予防とワクチン接種を一緒にされるワンちゃんは、場合によっては1年ぶりに来院される時期です。「お久しぶりです」、「ご無沙汰してました」となるわけですが、それはワンちゃんが1年間健康に過ごせたということですから非常に喜ばしいことですね。

ゴールデンウィーク中の診察日ですが、通常通りとなります。特別に休診日などはありません

火曜日は休診日で、金曜日の午後は通常の診察は行っておりませんのでご了承ください。