フィラリアの予防薬の進化

3月になりました。ひどく冷え込む日は少なくなり、少しずつ過ごしやすくなってきましたね。しかし、引き続き夜間の冷え込む日もありますので、体調の管理は注意が必要です。大きな気温の変化が体調を崩させる原因になります。

フィラリアの予防が4月になると始まります。「5月初めから12月までの8か月間、毎月1回お薬を飲む」ことで予防をします。ワンちゃんは当り前ですが、ネコちゃんでの重要性も近年指摘されています。

さて、ここ1-2年、フィラリアの予防薬に少し変化があります。

まず、「マダニ・ノミのお薬に内服薬」が増えてきたこと、

さらに「フィラリア・マダニ・ノミが同時に予防できる薬」が増えてきたことです。

画期的な変化なのですが、これらのお薬のメリットは以下のようになります。

・マダニ・ノミの予防とフィラリアの予防の両方を行う場合、別々よりも安くなる場合が多い。

・マダニ・ノミの内服薬の方が、耳や足などの先端部分にも薬の効果が行き届く

・かなりおいしい(おいしくないものもある)ので、おやつ感覚であげられる。

まだこれからも新しい薬が出てきそうなフィラリア・マダニ・ノミ予防の合剤です。おそらくこれからはこういったお薬が主流になっていくのだと思います。

気になることがあればお気軽にご相談いただければと思います。

 

マダニ・ノミの予防

蒸し暑い日が続くようになりましたね。熱中症には十分注意しましょう。

マダニ・ノミの活動が活発な時期です。先日も足を痛めたワンちゃんが来院されましたが、原因はマダニに噛まれて肉球の間が腫れ上がってしまったことでした。

ここ最近、マダニの駆虫薬も新しいものが多くでてきました。特に「食べるタイプのお薬」が出てきています。

スポットタイプで起こる、

・ベタベタしてイヤ・すぐに触れない

・お薬を滴下した部分が赤くなる・かゆい

・シャンプーによって効果が落ちる

・全身にお薬が行きわたらない

などの欠点の解決になると思います。

味も良いものが多く、「1回投薬すると3か月間効果がある」ものも発売されました。投薬回数が少ないことで、投薬が苦手な子でも苦労が少なく済むところが良いところですね。

食べるタイプのマダニ・ノミの駆虫薬に興味があれば、お気軽にご相談していただければと思います。

 

 

フィラリア・マダニ・ノミの新しいお薬

 3月も終盤に入ってきました。暖かさが日に日に増していきますが、蚊・マダニ・ノミなどの寄生虫も動き始める季節です。

 今年からフィラリアのお薬に新しいものが加わります。今年加わるものは、「フィラリア・お腹の寄生虫・マダニ・ノミのすべて」を予防できるものです。今までは1つでこれらすべてを予防できるものはありませんでしたので、画期的なお薬ですね。

 すべてを予防できるので、フィラリアの予防薬とは別にマダニ・ノミのお薬が必要ないので、ワンちゃんへの負担が1つで済むことと、お財布にもやさしいところがメリットでしょうか。

 デメリットは、おいしく味はついているのですが匂いが独特なので嫌がるワンちゃんがいるかもしれないです。また、飲み薬なので投薬後に吐いてしまう可能性があることでしょうか。

 マダニからヒトに感染し死亡してしまうことがあるウイルスの病気(SFTS)も、忘れられがちですが、患者数は着実に増加していますので、マダニの予防もしっかりしていただくと良いと思います。

 もしもお薬に関してなど、疑問があればご相談していただければと思います。

重症熱性血小板減少症 その3

 とても寒くなりました。しかし、こんなに寒くてもマダニの活動はゼロではありません。

 今回は、最近はニュースでもまったく聞かなくなった重症熱性血小板減少症(SFTS)のお話です。

SFTSとは、簡単に

 マダニが持っているウイルスが、マダニに吸血されることで感染する病気です。症状は、発熱、おう吐、出血が止まらない・止まりにくくなるなどです。重症化し死亡する確率も高いヒトの病気です。

ヒトでの患者数

 ここ最近の報告では、過去~さらに新たな感染患者を合わせて

 44名で発症18名死亡という結果です(平成25年は33名発症22名回復生存、11名死亡)。

 変わらず死亡率が高い病気です。

ウイルスの広がり

 ウイルスの日本での分布の調査も進んでいます。ヒトでの発症例は九州・関西に集中しています。

 しかし、ウイルス自体は静岡県や山梨県でも見つかっており、感染した可能性のある動物(ペットのワンちゃんも含め)は長野県や富山県でも見つかっております。

 つまり、関東地方でもヒトでの発症がいつ起こってもおかしくないのかもしれない、そんな状況にあるということができるのかもしれないのです。

 ワンちゃん・ネコちゃんの病気ではないのですが、ワンちゃん・ネコちゃんが持ち込んでしまいヒトへ感染を起こす可能性があるウイルスです。とても心配されている方は冬でも予防をされている現状です(マダニは状況によって冬でも活動しています)。

 来年もワンちゃん・ネコちゃんでのマダニの予防は、今年以上にしっかり行っていく必要があるのかもしれません。オーナー様が後で後悔しないように予防をお勧めしていきたいと思います。

マダニの多い季節です

蒸し暑い日が続くようになってきました。気温・湿度の上昇とともに、マダニも活発に活動してきています。

マダニとは

 マダニとは成長段階によって大きさが違いますが、1-10mmの大きさです。基本的には野外に生息しています。吸血と脱皮をすることで幼ダニ→若ダニ→成ダニと成長します。

 室内のじゅうたんや畳などに必ずいるダニ(チリダニなど)とは種類が違います。マダニは吸血を行ないますが、室内のチリダニなどは吸血を行いません。しかし、チリダニなどはヒトやペットへのアレルギーに大きく関与している場合があります。

 他にも、ペットで問題になることがあるダニとして、ニキビダニ、ヒゼンダニなどがいます。

ワンちゃんに寄生するマダニの種類は?

 マダニは日本全国に40種類以上が生息しています。その中でワンちゃんに寄生するのは主に、フタトゲチマダニ、キチマダニ、クリイロコイタマダニ、ヤマトマダニです。

 地域によって寄生するマダニの種類に違いがあったります。

マダニの多い季節は?

 主に春から秋に活動しています。

 しかし、真冬でも寄生が確認される種類もいますし、越冬する種類もいるそうです。

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)ウイルスの感染について

 少し前までニュースにもよくなっていた病気です。ヒトがマダニに吸血されることで感染し、発熱・血小板減少・消化器症状・白血球減少が主な症状です。重症化すれば10数%で死亡することもあります。

 ワンちゃんがマダニの感染を予防することは、ヒトの住む環境へマダニが侵入する機会を減らすことに繋がるため重要なことだと思います。

 「いつからいつまで予防したらよいか?」ということが1つの問題となりますが、一般的にはマダニの活動が活発な季節、つまり春から秋にかけてということになります。しかし、地域やワンちゃんの行動範囲によっても差がありますので、心配な場合にはご相談いただければと思います。

 

重症熱性血小板減少症候群 その2

 重症熱性血小板減少症候群で亡くなった方が、4人となってしまいました。さらにこの病気に感染の疑いのある人も亡くなってしまったようです。「マダニに噛まれることで感染する病気」ですので、これから暖かくなるとマダニの活動が活発になるため注意がさらに必要になってくるでしょう。

 今回は、ダニが関係するその他の感染症について簡単にお話します。

日本紅斑熱

 関東以西で発生する。このところ報告件数は増えてきている。

 発熱・発疹・刺し傷が3大徴候。人が亡くなってしまうこともまれにある。

 リケッチアと呼ばれる病原体の感染が原因になる。

ツツガムシ病

 全国的に発生がある。

 39℃以上の発熱が起こる。発疹、刺し傷が見られる。人が亡くなってしまうことがまれにある。

 リケッチアと呼ばれる病原体の感染が原因になる。

ライム病

  寒い地方や標高が高い地域で発生する。

 特徴的な赤い斑点がみられる。インフルエンザのような症状。さらに悪化していくこともある。

 細菌の感染によって発症する。

その他ダニが関与する感染症として、Q熱、バベシア症、野兎病などがあります。実はこんなにも多様な病気をダニが運んでいるのです。そしてワンちゃんやネコちゃんだけでなく、ヒトへも病気を起こしてしまうのです。

 ヒトに感染が起こる場合、「ダニを、ワンちゃんやネコちゃんが運んできてしまう」という可能性があるということが問題点です。「ワンちゃんやネコちゃんにマダニの予防をしてあげる」ということは、「オーナー様やそのご家族への感染の予防する」ということにつながるのです。

重症熱性血小板減少症症候群

 重症熱性血小板減少症症候群(SFTS)という病気について、ここ最近ニュースで見かけます。ご存知の方もいらっしゃるかと思います。2012年に日本国内で初めて、ヒトでの死亡者が出てしまった病気です。2009年に中国で集団発生が見られた、比較的新しい病気です。

原因

 ウイルス性の病気です。そのウイルスを持っているマダニに噛まれることで感染が起こります。マダニは日本国内のほとんどの場所に住んでいて、暖かい季節に特に活発に活動します。

症状

 血小板や白血球の減少が起こります。目に見える症状としては発熱、嘔吐(吐く)、神経症状(けいれんなど)、出血傾向(内出血、血が止まらない)、重症では死亡してしまいます。中国での致死率は10数%と言われてるようで、かなり高い確率です。

 2012年の国内での発症例は、中国などで感染したのではなく、日本の国内での感染が原因だったとのことです。つまり、このウイルスは日本にも住んでいるということになります。

 

 ワンちゃんやネコちゃんでもマダニに噛まれてしまうことがあります。なにより、そのマダニがヒトを噛んでしまうこともあることが問題です。そのマダニが万が一この病気を持っていたら・・・ と考えると恐ろしいことです。

 マダニは多くの病気を運んでいて、実はこの病気以外にもヒトに感染する病気を持っていることがあります。オーナー様やそのご家族への感染を予防するためにもマダニの予防は大切なのではないかと思います。

ノミ・マダニの予防

梅雨に入り蒸し暑い季節になってきました。そろそろ本格的にノミ・マダニも増えてくる季節です。ノミ・マダニに吸血されるだけでなくそこから多くの病気になってしまうことがありますので、予防をしてあげることでさらなる病気にもならないようにしてあげることをお勧めします。

ノミに寄生されることの問題

・血を吸う

・痒み

・ノミ自体やノミのフンによって起こるアレルギー(特にネコちゃんに多い)

・痒みによって体をかいてしまい、キズにばい菌が感染してしまう

・ヒトが誤って吸血されたり、ヒトがノミに対してアレルギーになる       など

 特に大きな問題になりやすいのは、ノミアレルギー二次的な皮膚炎(掻きむしる、ばい菌の感染)です。また、大量のノミに寄生されると貧血を起こすこともあります。

マダニに吸血されることの問題

・血を吸う

・痒いよりも痛い

・アレルギー反応によって、吸血された場所が腫れあがる

・バベシア症                                など

 もしも足の裏などを吸血されるとひどい痛み足を挙上したりしてしまいます。さらにアゴが深く皮膚に入り込むことで腫れあがりなかなか治らないこともあります。

 バベシア症は赤血球を破壊してしまう寄生虫の病気で、貧血を起こしてしまいます。最近になって関東地方でも見られるようになってきた病気です。治療方法も確立していない病気ですので、しっかりとマダニの予防を行って感染しないようにしてあげることをお勧めします。

 

フィラリア症の予防はお済みですか?

 5月も下旬となりました。暑い日も続くようになって、蚊も多く見られるようになってきました。

さて、当院では安全を考えて5月からフィラリア症の予防をお勧めしていますが、まだフィラリアの予防が済んでいないワンちゃんはいませんでしょうか?フィラリア症は命に関わる感染症です。もしもまだ予防がお済でない場合は早めの来院をお勧めします。

 また、ノミ・マダニも増えてくる時期です。吸血されることでかゆみや痛みが起こるだけでなく、アレルギーの原因の1つになったり、バベシア感染なども心配です。さらにはヒトのアレルギーの原因になったり間違ってヒトが吸血されることもありますので、合わせて予防していただくこともお勧めです。

フィラリア・ノミ・ダニの予防

6月も中盤に入り、気温・湿度もいっそう上がってきました。

すでに蚊も飛び始めている季節です。まだフィラリアの予防がお済でない方は、お早めにご来院ください。

また、ノミ・ダニの数も非常に多くなる季節ですので、こちらの予防をしていただくこともお勧めです。