明日(31日)も診察日です

 今年も残すところあと1日となりました。今年も皆様のおかげで1年を無事に終わることができそうです。ありがとうございます。

 通常は休診日ですが、明日31日(火曜日)は診察を行っておりますのでワンちゃん・ネコちゃん・エキゾチックペットの子たちの体調に心配がある方は診察に来ていただければと思います。

 

31日(火) 特別診察日  診察時間:9:00-12:00  16:00-19:00

1日(水) 前日の振り替え休日

2日(木) 緊急の診療のみ対応  診察時間:10:00-12:00  16:00-19:00  

3日(金) 緊急の診療のみ対応  診察時間:10:00-12:00  (金曜日なので午後は一般診察は行っておりません。)

お正月は緊急の対応となりますので、特別料金を診察とは別途いただくようになりますのでご了承ください。

重症熱性血小板減少症 その3

 とても寒くなりました。しかし、こんなに寒くてもマダニの活動はゼロではありません。

 今回は、最近はニュースでもまったく聞かなくなった重症熱性血小板減少症(SFTS)のお話です。

SFTSとは、簡単に

 マダニが持っているウイルスが、マダニに吸血されることで感染する病気です。症状は、発熱、おう吐、出血が止まらない・止まりにくくなるなどです。重症化し死亡する確率も高いヒトの病気です。

ヒトでの患者数

 ここ最近の報告では、過去~さらに新たな感染患者を合わせて

 44名で発症18名死亡という結果です(平成25年は33名発症22名回復生存、11名死亡)。

 変わらず死亡率が高い病気です。

ウイルスの広がり

 ウイルスの日本での分布の調査も進んでいます。ヒトでの発症例は九州・関西に集中しています。

 しかし、ウイルス自体は静岡県や山梨県でも見つかっており、感染した可能性のある動物(ペットのワンちゃんも含め)は長野県や富山県でも見つかっております。

 つまり、関東地方でもヒトでの発症がいつ起こってもおかしくないのかもしれない、そんな状況にあるということができるのかもしれないのです。

 ワンちゃん・ネコちゃんの病気ではないのですが、ワンちゃん・ネコちゃんが持ち込んでしまいヒトへ感染を起こす可能性があるウイルスです。とても心配されている方は冬でも予防をされている現状です(マダニは状況によって冬でも活動しています)。

 来年もワンちゃん・ネコちゃんでのマダニの予防は、今年以上にしっかり行っていく必要があるのかもしれません。オーナー様が後で後悔しないように予防をお勧めしていきたいと思います。

年末年始の診察案内

年末年始の診察日のご案内です。

12月31日(火曜日)・・・平常時は休診日ですが、年末の診察の需要が多い様子ですので診察を行います。

1月2日・3日(木・金曜日)・・・緊急の診療のみの対応となります。

29日(日) 平常通り診察日  診察時間:9:00-12:00  16:00-19:00

30日(月) 平常通り診察日  診察時間:9:00-12:00  16:00-19:00

31日(火) 特別診察日  診察時間:9:00-12:00  16:00-19:00

1日(水) 前日の振り替え休日

2日(木) 緊急の診療のみ対応  診察時間:10:00-12:00  16:00-19:00  

3日(金) 緊急の診療のみ対応  診察時間:10:00-12:00  (金曜日なので午後は一般診察は行っておりません。)

お正月は緊急の対応となりますので、特別料金を診察とは別途いただくようになりますのでご了承ください。

プロバイオティクスの効果

プロバイオティクスって?

 ヒトでも良く聞かれるお話ですが、プロバイオティクスとは「消化管内に常に住んでいる健康に有効な細菌」のことです。とても簡単に言うと「善玉菌」です。世界保健機構(WHO)では、「一定量以上与えることで宿主の健康に効果を発揮する生菌」と定義されています。

 ヒトでも下痢症、アレルギー、呼吸器感染症、尿路感染症、大腸がん、膀胱がん、関節リウマチなどにプロバイオティクスが有効だという報告があります。

 病院では、下痢をしたワンちゃん・ネコちゃんに投与したり、抗生物質を投与した際にお腹の調子を崩さないように投与することが多いです。しかし、その効果はそれだけではないということです。

効果

下痢・軟便

 一般的に良く使用されるところです。消化管内の状態を正常化する助けになります。

便秘

 老齢のワンちゃん・ネコちゃんに良くみられますが、硬いうんちを出すのはとても体力を使います。痛みを伴うこともありますし、ひどければ病院で排便処置が必要なこともあります。これを改善してくれることがあります。

慢性腎臓病

 老齢のワンちゃん・ネコちゃんに多い病気です。腎臓の機能が失われ、それに伴い食欲減少・体重減少・嘔吐などが見られます。これらの症状を緩和して体調を維持してくれることがあります。

薬の投薬量の減少

 ある種の病気で、その治療に用いる薬を減量したり、場合によっては休薬までできることがあるそうです。

免疫力を高める

 どちらかというと、病気の治療のサポート訳のお薬となるプロバイオティクスですがヒトと同様に有効性は確かです。当院でも数件継続的にプロバイオティクスを投与することで体調が維持できている子がいます。プロバイオティクスの良いところは「食品としての安全性が高い」ことです。投与することによる副作用などの心配が少ないのは非常に大きなメリットですね。

健康診断キャンペーン中

枯れ葉も多く舞う季節になってきました。今月も引き続き健康診断キャンペーンを行っております。

全身健康診断

 ワンちゃん・・・14000円

 ネコちゃん・・・12000円

 人間ドックに近い検査です。ホルモン検査なども含まれるので、お得な検査セットになっております。

健康診断血液検査

 ワンちゃんセット・・・5500円

 ネコちゃんセット・・・4500円

 肝臓セット・・・3500円

 「全身のチェックは必要ないけど健康は気になるなぁ」というときにお勧めです。こちらもホルモン検査が一項目セットなのが良いところです。特にお年寄りのワンちゃん・ネコちゃんに理想的なセット内容になっております。もちろんそれ以外の子でも大丈夫です。

 肝臓セットは、「以前に肝臓が悪い」と言われた子用のセットです。さらに詳しく肝臓の状態を知ることができます。

健康診断ですので、「うちの子はまだまだ健康良かった」という結果がでれば幸いです。しかし、病気があるならば、少しでも早く病気を見つけることがより良い治療に繋がります。この機会に検査をしてみてはいかがでしょうか。

 

肥満

 朝夕は「寒い!」と言ってしまう季節になってきました。今回は、何度もどこでも聞いたことがあるだろう「肥満と病気」についてです。なかなか直視したくない問題ですが、しかし、一度見つめてもらいたい問題でもあります。

原因

 摂取カロリーと消費カロリーのアンバランスによります。簡単に言うと「食べさせ過ぎ」なのですが、主食であるドライフードが多すぎるというよりは、副食の「おやつ類のあげ過ぎ」が原因のことが多いようです。また、中にはオーナー様が「良く食べてこそ健康なんだ」と思われていたり、「太っているとかわいい」と思われていることから肥満になってしまうこともあるそうです。

 ワンちゃんやネコちゃん・エキゾチックペット側にも問題がある部分もあります。好発種、遺伝的素因、年齢、性別、避妊・去勢手術などがそれに当たります。

 

肥満に関連する病気

 ・寿命の短縮

 ・関節疾患

 ・循環器障害

 ・糖尿病

 ・免疫力の低下

 ・皮膚病

 ・膵炎

 ・腫瘍

 ・繁殖障害

 ・麻酔リスクの増大

肥満の治療

 ・運動によって消費カロリーを増やす

 ・食餌を制限することによって摂取カロリーを抑える

 運動は大切ですが、実際ワンちゃんのお散歩などにも時間の制限があったりしますし、ましてネコちゃんをお散歩というのはとても難しいと思います。また、ヒトのペースに合わせても効率的にカロリーを消費できないことから運動だけでダイエットはなかなか難しいので、食事療法が並行して必要になります。

 食事によってカロリーを制限するのも注意点があります。単純に食事の量を減らすと、「カロリー以外の栄養素」の摂取量も減ってしまいます。また、「満腹感」が得られなくなってしまうのでペットたちのストレスになってしまいます。満腹感を得られないと食事の催促などの行動が始まりオーナー様もストレスを感じることになってしまいます。

 これらを考慮すると、「栄養素が調節されている・満腹感にも配慮されている療法食」が便利ではあると思います。

肥満の予防

 「始めから太らせないこと」が最も大切です。そもそも痩せさせる手間がなく、健康に影響も出ないからです。生まれた年のワクチン接種などの際、食事の管理の仕方について指導させていただくのが獣医師の責任と思いますが、気になることがあればなんでも質問していただければと思います。

 「始めから太らせない」方が良い理由はもう1つあります。それはリバウンドの問題です。減量が成功しても、その後さらに体に必要なカロリー量が減少してしまうからです。つまり減量に成功しても、食事の量はそのままにも関わらずまた太っていってしまうことがあるからです。

 肥満は少し特殊な病気です。それは直接獣医師が治療に参加できないところです。「ダイエットする」と口で言うのは簡単ですが、「行うことがとても難しい」ということはとても良く理解できます。「ご家族であるワンちゃん・ネコちゃん・エキゾチックペットの子たちの健康を思えばっ!!」と、心を鬼にしてがんばっていただきたいと思います。それに必要な手助けは我々にもできます。

 しかし、「どうしても痩せることができない!」場合もあります。そんなときは「肥満とは別の病気が隠れている」かもしれません。いくらダイエットしても痩せられないときは病院へ相談していただくのも良いと思います。

健康診断キャンペーン2

 10月に入って、朝夕が寒くなってきました。ワンちゃん、ネコちゃんたちの体調管理も気を付けてあげる必要がある時期です。

すでに健康診断(血液検査)のキャンペーンが始まっていますが、今年からは全身の健康診断」も始めます!!

検査の内容

 ・一般身体検査

 ・おしっこ検査、うんち検査

 ・血液検査

 ・胸部レントゲン、腹部レントゲン

 ・腹部超音波検査

 ・さらに年齢や体調によって、「4種類の検査」がセットです。副腎皮質ホルモン検査・甲状腺ホルモン検査・肝臓検査・追加一般血液検査の内1つがセットになります。

4種類の検査

 ・副腎皮質ホルモン検査・・・肥満に悩む子、皮膚・被毛が弱い子などにお勧めです。

 ・甲状腺ホルモン検査・・・高齢のワンちゃん・ネコちゃんで異常が多く見られるため、お年寄りの子にお勧めです。

 ・肝臓検査・・・過去に「肝臓の数値が悪いです」と言われたことがある場合、それをさらに詳しく検査できます。

 ・追加一般血液検査・・・健康に見える若い子にはさらに一般検査を追加します。

 この中から1つだけセットに加えることができます。しかし、どれを行うか、判断は難しいと思いますので日ごろの検査や体調を見て一緒に判断させていただきますのでご安心いただければと思います。

お値段(ワンちゃん、ネコちゃんで検査項目に少し差があります)

 ワンちゃん・・・14000円

 ネコちゃん・・・12000円

 ヒトでも行う「人間ドック」と同じイメージをしていただければと思います。ヒトでもある程度の年齢になれば定期的な検査によって、病気の早期発見が重要になります。腫瘍などになればいかに早く見つけられるかが完治するかどうかのカギになります。

 ワンちゃんやネコちゃんの場合、1年でヒトの約4年分歳を取ることを考えると、ヒトと同様に定期的に検査してあげることをお勧めします。ヒトほどの検査はできないにしても、少しでもワンちゃん、ネコちゃんの健康の維持に役立てていただければと思います。

秋の健康診断キャンペーン

今年も秋の健康診断血液検査キャンペーンのご案内です。通常なら10000円前後の検査なのでこの期間はかなりお安くなっていると思います。

検査でわかる主な病気

甲状腺機能低下症 5500円

 歳をとったワンちゃんに多い病気です。症状は、「痩せてきた」、「元気がない」、「お腹を壊しやすい」、「皮膚病や脱毛」などです。一見すると典型的な症状がないところが困ったところで発見を遅らせてしまう原因でもあります。

甲状腺機能亢進症 4500円

 歳をとったネコちゃんに多い病気です。症状は、「食べても食べても痩せていく」、「うちの子は年をとっているのにとても元気なの」、「夜に変な声で鳴く」などです。また同時に慢性腎臓病も発症していることもあるので注意です。今回の血液検査で両方の病気をチェックできてしまいます。

副腎皮質機能亢進症 5500円

 ワンちゃんに見られる病気です。症状は、「水を大量に飲む」、「毛が抜けてきた」、「お腹が出てきた」、「痩せられない」などです。比較的典型的な症状が出てくることが多いですが、わかりにくいことも多い病気です。

肝機能検査 3500円

 この検査は、これまでに「肝臓が悪いですね」と言われたことがあるワンちゃん・ネコちゃんに有効になるかと思います。通常の検査(ALT、ASTなど)のみでは評価できない部分も確認できるのが良いところです。今までに肝臓が悪いと言われたことがある子はご相談していただければと思います。

 健康診断をして「健康ですよ。よかったですね。」と言ってあげられるのが一番なのですが、悪いところが見つかってしまう場合もあります。しかし、早期に発見できれば病気も悪くなる前に治すこともできる可能性が高くなります。なので、「うちの子も歳をとってきたから・・・」、「気になる症状があるなぁ」と思ったら、今回の健康診断キャンペーンを利用していただくのも良いかもしれません。

 

歯周病から心臓病?

 9月に入っても暑さは続きますが、空気が秋へ近づいているのを感じられますね。今回は歯周病のお話です。

歯周病って?

 おそらく、ある程度の年齢のワンちゃん・ネコちゃんを飼われている方であれば「口が臭いよ」、「歯茎が赤い」、「歯が汚い」ということを一度は思ったことがあるのではないかと思います。「うちの子は平気そう」と思われても唇をめくって見てみると、ほとんどの子で何らかの異常が見られると思います。「歯周病を持っているワンちゃんは全体の80%!!」というデータもあるそうです。

 歯周病は細菌感染によって起こる病気です。歯肉のみではなく、歯自体、歯の根っこ(靭帯)、歯槽骨(歯の埋まっている骨)にまで病気が進行することがあります。

 大型犬ほど歯周病になりにくく、小型犬の方がずっと多いです。日本は小型犬がとても多いのでさらに良く出会う病気なのでしょうね。

 

どうやって他の臓器に病気を起こすの?

 ご飯を食べたり歯磨きをすると細菌が血管の中へ入ってしまうことがわかっています。通常はこれによって問題はおこらないのですが、何らかの理由で影響を受けてしまうことがあるそうです。また、細菌が入ることで全身へ炎症性物質が放出され心臓や血管にダメージを与えてしまうこともあるそうです。さらに細菌を倒そうとしていると、誤って自分の臓器を壊していくこともあるそうです。

 しかし、 実はどのように他の臓器疾患に関わるのかは、科学的な証拠が見つかっていないのが現状です。

歯周病と関係がある疾患

 ・心臓・血管の疾患・・・心臓の組織が壊れたり、動脈硬化の原因になると言われています。

 ・生殖器の疾患・・・早産が増えたりすると言われています。

 ・糖尿病

 ・肝臓の病気・・・脂肪肝になったり、肝臓へ膿がたまってしまうことがあると言われています。

 ・呼吸器の疾患・・・気管炎や気管支炎を起こすことがあると言われています。

予防は?

 歯ブラシを使って歯みがきをすることが最も効果的です。「歯と歯肉の隙間」をきれいにしなくてはならないので、指サック型のものや歯みがきシートはやはり歯ブラシには効果は劣ってしまいます。

 フードも種類によっては①フードの形が歯をきれいにしやすいように工夫されているものや②ポリリン酸ナトリウムが含まれていて歯石が作られることを予防することができるものもあります。

 お口の薬もあります。細菌の増殖を抑えたり、歯垢(歯石のもとになる)の付着を予防することができます。

 歯みがきは慣れていない子にとってはとても難しいことではありますが、チャレンジしてみてほしいです。おいしい味になっている歯磨き粉を合わせたりするとやりやすくなることが多いです。歯ブラシや歯磨き粉は病院にも用意してあります。

 しかし、すでに歯周病がひどくなってしまっている場合は病院で治療が必要になりますので、予防も含め心配な場合はご相談していただければと思います。