高齢犬の行動変化2

一時期よりは良いですが、まだまだ暑い日が続きます。お散歩の際の熱中症には十分に気をつけてください。また、涼しい時間にお散歩に出るとしても、アスファルトの温度はかなり高いことがあります。ヒトが5秒以上触れていられない場合、「ワンちゃんも肉球をやけどすることがある」ので注意しましょう。

今回はワンちゃんが年をとって認知症になったときのお家での簡単な対応についてのお話です。

室内の環境の改善

できる限り生活しやすいようにすることと、怪我をさせないようにする必要があります。床を滑りにくくする、障害物を減らす、家具の配置を変えない、トイレを近くにおいてあげるなどです。

認知症になるといわゆる「無駄吠え」が1つの問題になりますが、本当に無駄なのではなくて不安や欲求のアピールであることがあります。それらの解決の助けにもなってくれます。

適度な刺激

例えば、散歩に出ることは心身ともに良い刺激になります。歩けない子でもカートで散歩に出ることで嗅覚・視覚・聴覚の良い刺激になるでしょう。声をかけてあげる、触ってあげるだけでも刺激になるので良いでしょう。

また、これらを日中に行うことで、認知症の1つの問題である「昼夜逆転」を軽減することが期待できます。

しつけ

高齢化すると、耳が聞こえづらくなり、目も見づらくなり、匂いも嗅ぎ取りづらくなります。これらの理由から、今まで何でもなかったことに不安を抱いてしまうこともしばしばあります。そこで今まで当り前の行動に対してもおやつなどのご褒美を与えることによって不安を取り除くようにするとよいです。(例えば、トイレで排泄がうまくできたらご褒美をあげる)

 

食事療法

抗酸化物質などが含まれるサプリメントなどを病院でお出しすることもできます。不安を強く感じているワンちゃんにはGABAなど抗不安効果の期待できるサプリメントなども有効な場合もあります。

高齢化、そこから起こる問題行動はワンちゃんだけではなく、オーナー様にとっても大変な問題になることがあります。それぞれのご家庭によって対応方法もそれぞれとなってしまう難しい問題ですが、病院として良い解決方法を提案できるかもしれませんので、気軽にご相談いただければと思います。

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